東京を更なる環境先進都市へ
地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」は、産業革命以前より気温上昇を2度未満に抑え、将来にわたって海面上昇による国土の消失や洪水と熱波・干ばつ・豪雨といった極端な気象・気候現象を防止していくことが目標です。2020年からの適用に向けて具体的なルールづくりを行う国連気候変動枠組み条約締結国会議(COP24)は最終調整に入りました。
温暖化否定論を主張するトランプ大統領によりアメリカは2017年にパリ協定からの離脱を表明し、新興国の中国やインドの温暖化ガス排出が急増する現状で、国家政府間の交渉は難航をきわめています。しかし、東京都においては、2010年度から、いち早くキャップ・アンド・トレード制度(温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度)をオフィスや工場など大規模事業所で導入し、着実に成果を上げ、環境先進都市として気候変動対策をけん引してきました。
先日の都議会環境・建設委員会では、2020年以降の気候変動対策の主な制度の見直しについて質疑しました。キャップ・アンド・トレード制度では、オフィスビルなどにおけるCO2削減義務率を引き上げるほか、再エネ電力の利用拡大に向けた新たなインセンティブを導入し、制度の進化を図ります。
中小規模事業所のCO2排出量や省エネ対策の報告を求める制度においては、優良な企業を公表するとともに、再エネ利用状況の報告を新たに義務付けることで、企業の取り組みを一層促進します。
さらに、大規模建築物の省エネ性能を評価する制度では最高ランクとなる「ゼロエネルギー・ビルディング」の基準を新設し、評価対象も拡大するなど、建築物のさらなる省エネを推進します。
各企業に今回の制度改正の趣旨をご理解頂くことに努め、さらなる省エネと再エネ利用の拡充を強化し、脱炭素社会、ゼロエミッション東京の実現を目指すことを強く要望いたしました。